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クライマーズ・ハイ
2009-10-01 Thu 18:16
クライマーズ・ハイ (文春文庫)クライマーズ・ハイ (文春文庫)
(2006/06)
横山 秀夫

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世界最悪の単独航空機事故といわれる日本航空123便墜落事故(日航機墜落事故)を題材とした長編小説。作品の存在を知ったのは2008年に公開された映画が最初だった。

一瞬にして520人もの命を奪ったこの航空機事故の衝撃は今でも覚えている。あまりにも衝撃的過ぎて、現実と虚構の区別がつかなかったくらいだ。
北関東新聞社の遊軍記者・悠木。同僚である安西とペアで衝立岩正面壁の登攀を予定していた前日に、ジャンボが消えたというニュースが飛び込んできた。悠木が全権デスクに任命され、山行は中止に。そして、駅で悠木と合流する予定だった安西は、前橋市内で倒れ意識障害に陥った。
悠木はくだらない権力闘争に巻き込まれながら、日航全権デスクとして編集部の指揮を執り、安西を思い、記者として、そして男としてすべてと向き合っていく。
そして17年後、悠木は安西の息子・燐太郎と、衝立岩正面にアタックをかける―。

ズッシリと重いテーマでありながら、ページを捲る手はただの一度として止まらず、一気に読破してしまった。中途半端に夢見がちなファンタジーやどうでもいいミステリーを書いたり読んだりしている暇があるならこれを読め、とでも言いたくなる。物語の主な舞台となる新聞社の熱気が、活字を通してそのまま肌に伝わってくるような熱さがあった。これはもはや活字を追うという感覚ですらない。極限状態を超えてしまった登山家に起こりうる異様な興奮状態をクライマーズ・ハイというのならば、この物語を読んでいたときの自分が味わった興奮状態はリーダーズ・ハイとでも呼べばよいのではないだろうか。


「下りるために、登るんさ。」
物語の冒頭で安西が口にした謎掛けのような言葉の意味を、悠木は作中でずっと探している。それを読んでいる自分も、同じようにその言葉の意味を模索していた。

風化させてはならない事故の記憶。
地元紙記者としての意地とプライド。
クライマーとして、そして父親としての表情。
この作品は、いくつものことを教えてくれる。

映画では描ききれておらず、消化不良だった部分も納得できた。何ゆえに悠木は衝立岩に登ったのか。安西は何のために悠木と登ろうとしていたのか。原作を読む前とその後では、映画に対する印象が180度変わってしまった。映画作品はあくまで別モノとしてとらえるべきだろう。主人公こそ変わらないが、あれは「スピンオフ」である。


山、マスコミ、日航機事故。
無理やり解釈すれば、自分とつながるポイントがいくつもある。
自分の父親も元山屋でマスコミ。群馬県藤岡市に住む親戚は歯科医で、日航機事故罹災者の身元を確認するため、歯形や治療跡を鑑定しに遺体収容所に駆り出されたということだ。当時子供だった自分には現場の話が直接耳に入ることは無かったが、後々にそれは地獄という言葉すら生温いほどの惨状であったと聞いた。


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