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editor's night+2
2008-11-16 Sun 23:37
版元に就職して2週間、仕事にもだいぶ慣れてきた。
編プロとの差に随分と戸惑ってもいるが、それはそれ、これはこれ。
金曜の夜、会社のみんなが歓迎会を開催してくれた。渋谷のちょっと洒落た店で酒を飲むなんて、何年ぶりだろう?何年か前にゆっきんに連れてってもらったスペイン料理屋以来か。

当たり障りのないユルい話で様子見、ところが話題がF1とミッシェル、ブランキーに発展して引火。F1はなんだかんだ言ってもセナ・プロ時代が面白かったとか、チバユウスケと浅井健一はサイコーだとか、すごく話題の合う仲間が近いところにいるということが、妙にうれしかった。F1は今のしか知らない、とかチバ?ベンジー?誰それ?みたいなハナシにならなかったことが幸せだった。このごろはビールが苦手になってきたが、他のシャレた名前の飲み物はよくわからない。辛うじて知っているビアカクテルを頼んだ。

1次会で帰宅する予定が、酔っ払って予想外に面白くなってしまった人に引っ張られてしまった。「終電あるのにー」「今月給料ないからビンボーなんすよー」と言ってもまったく聞き入れられず、「そんなもんなんとでもなる、朝まで飲めばいいんだよおおおおお」と無理やり2軒目へ。

1次会では15,6名いた出席者も2次会では9名に減っていた。ここでも話題はごくごくありふれたもの。ウィスキーとバーボンの違いなんてよくわからねえ。俺には酒の味なんて一生わからないかもしれない。途中退出者2名で残りは7名、そして閉店と同時に店を追い出されたのが午前2時30分。渋谷の街中を、行くあてもなくフラつきながら「こんな連中、この街には掃いて捨てるほどいるんだろうな」なんて、少し悪態をついてもみた。そんなことでもしなきゃやってられねえ、ってほど疲れていたわけではないし、ひどく酔っていたわけでもない。この夜自体は心地よいものだったし、自分の前に開けているかもしれない道を思えば、むしろ未来は明るいと言えるかもしれない。だが、何かが腹の底で沸々と音を立てていた。

3次会場になったのは、どこにでもある安酒屋。客の姿はほとんどなく、俺たち7人の他には、店員の注意も聞かずというか聞けず、ただだらしなく寝ている酔いつぶれたサラリーマン達が一組いるだけだった。さすがに軽く飲み疲れてきていたので、ジントニックを1杯頼んで気分を変えた。やや経って、一人が酔い潰れ寝始めたあたりから、ようやくさっき感じた何かの正体が見えてきた。

感じていたのは、矛盾だ。

版元であるからには、それなりの弾数をそろえながらずっと撃ち続ける必要がある。当然、上層部はそれを強く求めてくるし、こちらとしてもそれをこなさないことには仕事にならない。しかしこのご時勢に売れる本を作り出せと言うのは、それは相当な悩みの種だ。広く浅くでもいいから読まれる本を、という一点においてもそれは難題であり、さらに編集者として納得行かざるものでも出版物として世に送り出さねばならぬということには、「仕事としての出版」と、「生きていくための手段としての仕事」とが混在していて、余計に自分を苦しめる。版元に入ったばかりでこんなことを言うのもなんだが、納得の行く仕事にたどり着くまでにはまだまだ相当の時間がかかるようだ。

編プロ時代は、ページ単位いくらでの仕事をしていた。版元や広告代理店から下りてくる仕事を、着実にこなすしかない。無理なスケジュールを組まれても文句は言えないし、安いグロスの中でカメラマンフィーとデザインフィーをやりくりする。だが、自分の仕事には誇りを持てた。その中でどれだけのものを作り出せるかを考えることは、当時の自分にとってはとても建設的な考えだったのだ。
だが今は、仕事を作り出す立場にいる。時には外注しなければならないこともあるだろう。その時に、「広く浅く売れる程度の仕事」をお願いすることは、とても・・・。

これは暑苦しくて青臭い話だ。だけど、せっかく本を作るなら、自分の納得できる内容のものを作りたい。採算度外視のモノ作りなんて、競争社会ではありえない話だけれど。

同じことを、その場にいたみんなが感じていた。
たとえ納得できない内容のものでも、作るからには最高のものを送り出したい。
売れないかもしれないなんて思いながら作るくらいなら、そんな企画ヤメちまえ。

編集、デザイン、広報、営業、みんなが力を合わせなければ、いいものはできない。そのためにできることなら、何でもしたい。この日その場にいた7人は(一人は寝ていたが)、少なからずそう思っていた。そんな意見のぶつけあいが出来ただけでも、朝まで飲み明かす気になった甲斐があったというものだ。

4時半過ぎに店を出て、渋谷は駅近辺をうろうろ。まだ始発は動き出していない。ハチ公前にも駅前の交差点にも、センター外の入り口にも人が山ほどいた。最近24時間営業している黄色いMが目印の店にも、朝を待つ人が溢れていた。そこで温かいコーヒーを1杯だけ飲み、仲間に一声かけて、動き出した地下鉄の駅に向かい歩き出した。空はまだ暗いままの午前5時。酔いの醒めない群集の中に、いつの間にか紛れ込んでいた。

飲まれ、揉まれ、逆らって、いつか掴む。
覚悟は、出来た。



朝まで飲んだおかげで土曜は終日ぐったり。
日曜は昼間に後輩と待ち合わせて何故かオトコ4人でカラオケ。ビジュアル系にはついていけず、もう若くないと言うことを嫌と言うほど思い知らされた。
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